Translate

2019年12月27日金曜日

◆インフルエンザの流行がさらに拡大:インフルエンザの都道府県別の定点当たり報告数の第46週から第51週までの推移(国立感染症研究所のデータから):都道府県別の「コロプレスマップ」です

 2019年第51週(12月16日~12月22日)の、インフルエンザの定点当たり報告数を国立感染症研究所が発表しています。

 第46週から第51週までの、都道府県別の「定点当たり報告数」を、色分け地図にしてみました。インフルエンザの流行が全国的に拡大していることがうかがえます。

 季節性インフルエンザであれば、致死率も低いので、感染が拡大してもあまり話題にもならないようです。

 インフルエンザの流行は毎年、例外なく必ず起きているので、「インフルエンザの流行」自体は防げないもののようです。

 致死率の高い新型が流行してしまうと、多数の犠牲者が出ることは避けられないのかもしれません。

 下記の地図はインフルエンザの「定点当たり報告数」を5段階で色分けしたもの(コロプレスマップ)です。全国の広範囲で流行が加速してきている様子がわかります。

なお、最新の概況については、国立感染症研究所のこちらのページで報告されています。

↓インフルエンザの「定点当たり報告数」の19年第46週から第51週までの推移

※塗り分け地図作成の参考ページ:http://ds0.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~fukuyo/r-map.html


  都道府県別にインフルエンザの「定点あたり報告数」を地図上で塗り分けするにあたって、色分けの区切りの値の問題が生じます。グラフスケールの取り方の問題のような感じです。スケールの取り方によって、グラフの見やすさや印象は変わってきます。

 合理的で、一貫した基準がないと「恣意的」なものになってしまいます。

 国立感染症研究所のページの都道府県別マップは、「警報・注意報レベル」についてのものです。区切りの基準が一定なので、少ないときは全体的に色が少なく、一定水準を超えて多くなると全体が真っ赤になって、どこが特に多いのかがわからず、色分けの意味が薄れてしまいます。

 そこで、「定点あたり報告数」の塗り分けについては、区分を変動的なものにしてみようと思います。

 上の図の塗り分けは、「定点あたり報告数」についてのものですが、基準として、最新データの「報告数-1」の値について、4分位範囲を「Summary()」で見て、4分位数を利用しています。以前のデータの塗り分けもその区分を用いて、さかのぼって変遷を見られるようにしています。「-1」とするのは、区分の「1」を意識してのものです。報告数が1を超えるかどうかが、流行期入りかどうかの基準になっているようなので、区分の「1」は固定とし、それ以上の部分を変動制にしています。

 なお、アニメーションGIFは、アニメGIF作成サイトを利用する方法もありますが、「ImageMagick」というアプリで作成しました。Windowsの場合、地図の画像を一つのフォルダにまとめて保存し、コマンドプロンプトで、そのフォルダ(ディレクトリ)に「cd」してから、「magick convert -delay 250 -loop 0 *.png animation.gif」といったコマンドで作成できます。

----------------------------------------------------------------------------

【国立感染症研究所の概況コメント】:毎週、上書きされているので、以下のようにちょっと保存しておこうと思います。

2019年 第51週 (12月16日~12月22日) 2019年12月25日現在
 2019年第51週の定点当たり報告数は21.22(患者報告数105,221)となり、前週の定点当たり報告数15.62より増加した。
 都道府県別では山口県(41.46)、宮城県(31.8)、埼玉県(29.57)、大分県(28.91)、愛知県(27.55)、富山県(26.88)、長野県(26.6)、北海道(26.28)、山形県(26.22)、福島県(26.17)、熊本県(25.84)、千葉県(24.76)、新潟県(24.54)、鹿児島県(23.64)、神奈川県(23.26)、秋田県(22.96)、広島県(22.72)、青森県(22.52)、東京都(22.3)、島根県(22.24)、栃木県(22.13)、福岡県(21.73)の順となっている。45都府県で前週の定点当たり報告数より増加がみられ、1道1県で前週の定点当たり報告数より減少がみられた。
 定点医療機関からの報告をもとに、定点以外を含む全国の医療機関をこの1週間に受診した患者数を推計すると約76.2万人(95%信頼区間71.6~80.7万人)となり、前週の推計値(約53.5万人)より増加した。年齢別では、0~4歳が約8.7万人、5~9歳が約19.8万人、10~14歳が約12.8万人、15~19歳が約3.5万人、20代が約4.3万人、30代が約6.7万人、40代が約9.7万人、50代が約5.1万人、60代が約3.1万人、70代以上が約2.5万人となっている。また、2019年第36週以降これまでの累積の推計受診者数は約227.1万人となった。
 全国で警報レベルを超えている保健所地域は111箇所(1都1道2府30県)、注意報レベルを超えている保健所地域は350箇所(全47都道府県)であった。
 基幹定点からのインフルエンザ患者の入院報告数は1,184例であり、前週(858例)より増加した。全47都道府県から報告があり、年齢別では0歳(59例)、1~9歳(412例)、10代(104例)、20代(8例)、30代(23例)、40代(29例)、50代(53例)、60代(102例)、70代(181例)、80歳以上(213例)であった。
 国内のインフルエンザウイルスの検出状況をみると、直近の5週間(2019年第47~51週)ではAH1pdm09(97%)、AH3亜型(2%)、B型(1%)の順であった。
 詳細は国立感染症研究所ホームページ(https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-map.html)を参照されたい。


----------------------------------------------------

---------------------------------------------------
-

◆インフルエンザの流行が拡大中:2019年第51週(12月16日~22日)のデータでは、「定点当たり報告数」が21.22で前週から増加しています

インフルエンザの定点観測データ(定点当たり報告数の推移):第51週(12月16日~12月22日)まで

国立感染症研究所のホームページに、インフルエンザの流行についての週ごとのデータがあります。毎年、第36週(8月末~9月初旬)から翌年の第35週までの1年間が「インフルエンザシーズン」とされていて、「2019-2020年シーズン」は、2019年9月2日から2020年8月30日までです。

国立感染症研究所のホームページから週ごとの「インフルエンザの定点当たり報告数」のデータをダウンロードして、グラフを作成してみました。

「インフルエンザの定点当たり報告数」は、2019年の第51週(12月16日~12月22日)では21.22で、増加傾向にあります。ここ数年と比べて19年は流行の始まりが早くなっています。

「IDWR 2019年第44号、第48号」に「<注目すべき感染症>インフルエンザ」というリポートがあります。今年の流行の始まりが早いことなどがリポートされています。

下のグラフは、第51週のデータ(2009年~2019年)です。2009年は秋から流行が見られ、他の年との違いが大きかったことがわかります。         

2018年、2019年の1月、2月ごろは数が多かったようです。2009年からグラフ化すると、線が多くて見づらいため、2015年からのデータのグラフも作成しています。

36週から51週のデータに絞り、スケールを変えたグラフも作成しています。2019年の第51週は全国で21.22という報告数ですが、第50週からさらに流行が拡大していることがわかります。

なお、第37週、第38週で1を超えていたのは、沖縄県での数が多かったからのようです。

----------------------------------------------------

---------------------------------------------------
-